[正義の人]


「あたしのだもん。とっちゃヤダ!」
「ちょっとぐらい貸してくれたっていいだろ」
 娯楽室に入ってきたとたんに云い争うシンタとクムの声がレコア・ロンドの耳に飛び込んできた。
「シンタ、やめなさい。クムが読み終わった後でいいでしょ」
 二人から少し離れたところで繕いものをしていたファが、見かねたように年長の少年をたしなめる。
「だって、こいつ読むの遅いんだ」
「あなたも別のを貰ったでしょう。そんな聞き分けのないこと言ってると――」
「そうよ。[正義の人]に言いつけちゃうから!」
「クムっ……!」
 小声で咎めるようにファがクムを呼び、辺りを見回した。彼女はレコアの姿を認めてホッとしたように息をついた。
「わかったよ。……さっさと読めよ」
 ファをよそにシンタは不満顔なものの、簡単に引き下がる。レコアはその素直な反応と彼女の慌てた様子が少し気になった。
「おとなしく読みなさい」
 そう云いつけるファにシンタはしぶしぶ、クムは得意顔で頷いた。それを不思議そうに眺めてレコアは彼女の側に席を取った。
「おはようファ」
「おはようございます、レコアさん。――うるさくてすみません」
 作業の手を止めてファは軽く頭を下げた。
「大丈夫よ。――さっきの[正義の人]って何?」
「あっ……やっぱり聞こえてました」
 困ったようにファはペロッと舌を出した。そう云いながらも瞳が笑っている。
「子供達がつけた渾名で……前に二人が喧嘩してた時の仲裁が凄く見事だったんですよね」
「ええ?」
 秘密を打ち明けるようにファがゆっくりと云い置いた。
「それで、カミーユが『呆れるほど正しい』なんて言うから聞いてた子供達がじゃあ[正義の人]だって――」
 誰が、とは云わない彼女はレコアに連想させるように間を置いた。不意にある人物が浮かび上がる。
「ひょっとして――エマ中尉?」
 思いついてレコアが口にした名にファは共犯者の笑みでこっそりと頷いた。
「みんなそう思うんですよね。悪口じゃないけどやっぱり本人の耳に入ったらマズイかな……って。内緒ですよ」
 無邪気にそう云われて彼女は曖昧に微笑むしかなかった。

「子供達の繕いもの? 大変ね、――結局ファが一人で面倒を見てるんでしょ」
 レコアは話を反らすようにファの手元を示した。
「ええ――認めたくないですけどあたしが一番仕事してないから、しょうがないんです」
 云葉ほど悲観的でもなく明るく答える。子供達の相手が嫌ではないのはその態度からもわかる。だからこそシンタもクムもよくなついているのだ。
「そんなこと、……ファはパイロットの適性有り、って認められたんだから自信持って」
 前ほどの気負いこそ見せないもののやはり多少も焦燥はあるだろう。それはレコアにも理解できる。
「ありがとうございます、レコアさん」
 照れ臭そうに云ったファは手を止めてチラとレコアの顔を窺った。
「あたしもレコアさんみたいに出来ればな。カミーユなんてすぐ『お前には向かないからやめろ』しか言わないし」
 ファが羨望しているのは、男顔負けの任務をこなすレコア・ロンド少尉なのだろうか。彼女は苦笑する。
「今度そんなこと言うようなら、『やめたら責任取ってくれるの?』って言ってごらんなさい」
「レコアさん――大胆」
 ちょっとびっくりしたように瞳を見開いたファは呟いた。思いもしない駆け引きを聞いたような顔をしている少女には、『責任』などという云葉は必要以上に重たく響いたのかもしれない。
「そう? ファがエゥーゴに入ったのはカミーユと無関係じゃないんだから自覚させたら」
 何気ないレコアの物云いにファは戸惑ったように眉をしかめた。
「別にカミーユがいたからじゃ……」
 云ってむなしくなったのか、云葉を途切らせてバツが悪そうに俯いた。
「ごめんなさいね余計なことだったわ。でも、カミーユは口には出さなくてもファに感謝も、アーガマにいてくれることに安心もしていると思うわよ」
「そうなのかな……」
 拗たような声音でファはポツリと云った。
「だって――癪じゃないですか。こっちだけヤキモキして、いつの間にか丸めこまれてるみたいで――」
 ファの云いたいことはわかるけれど、レコアはやはり余計なことまで踏み込んでしまったと後悔した。少年と少女の恋愛は可愛くもあり、同時に面倒なものでもある。
「いっそのこと――もっと周りに眼を向けてみたら? ファは若いんだし、飛び出してみたら今とは違ったことがあるかもしれないわ。たとえば……」
「たとえば、どんなことがありますか」
 興味を引かれたのか面白そうにファが訊ねる。
「そうね。たとえば何処かにもっと自分に相応しい相手がいるとか」
 冗談めかして――それでも半分は本気でレコアが云うと、ファは大きな瞳をクルッとさせた。
「レコアさんでもそんなこと思うんですか」
 感嘆の響きをにじませるファは不思議そうだ。
「あたしでもって……何?」
「クワトロ大尉はいかにも大人の男の人って感じで……そりゃあ、いつも優しくってわけにはいかないでしょうけど――頼りになるし、やっぱり素敵でしょ」
 クワトロが相手ならなんの不足もないだろうにそんな少女の思考が言外に読み取れる。ファの眼にはレコアとクワトロはさぞや理想的な恋人像に映るのだろうか。否定するつもりはないけれど、どこか釈然としないものが付きまとう。
「じゃあ、取り替えてみる」
 レコアの口から知らずに云葉が漏れていた。
「えっ―――」
 戸惑ったように表情を強張らせたファ。けれどすぐに彼女は破顔した。
「もう、ヤダなレコアさん――レコアさんがカミーユなんか相手にするわけないのに」
 ファはこれを冗談にしてしまう気らしい。もちろんそんな気はないけれど、屈託もなく云われたらレコアとてそうするしかない。
「フフ……こんなこと話せるのレコアさんくらいで、エマさんじゃ怒られちゃいそうだから」
 気恥ずかしそうにファは云い添えた。
「そうかしら……案外エマ中尉はカミーユが好きかもしれないわよ」
 自分でも何故そんなことを云い出したのかわからぬまま、レコアは意地悪な科白を吐いていた。しかし、
「そうだと思います」
 ファが当たり前のように頷くので、レコアはなんだか肩すかしをくった気分を覚えた。
「あんなにカミーユのことお説教するのはただの好意じゃ片付けられないかなって、それでなくてもカミーユ女好きだし……」
 だが、云葉に反して心配している様子は欠片もない。
「心配じゃないの?」
「本当いうと最初は気になったんです、美人だし。でもエマさんが――それを認めるにはプライドも常識もありすぎるみたい」
「――エマ中尉なら、年下の……それも相手がいるような人の恋人を奪うような真似はしないでしょうね」
 自嘲の響きをこめてレコアが彼女の想いを代弁すると、そこまで云っていないという風に少女は彼女の視線を避けて瞳を伏せた。
「エマさん、本当に[正義の人]なんですよね」
 ファはさっきとはまるで違った調子でそうエマ・シーンを評した。わずかに優越感がにじんでいるように思うのは彼女の穿ち過ぎだろうか。
(エマはカミーユに甘えることを許したら、簡単に手に入るだろうに理性でそれをしない。レコアにはクワトロがいる。だからちょっかい出さないで下さい)
 そんな無意識な少女の宣言、女同士にはわかるものだ。レコアはファの中に無邪気な少女の顔と、若さの特権ともいえる残酷さを垣間見たと思った。それは確かに彼女の中にもあるものだった。



「レコア少尉、チーフがメタスの整備にはまだしばらくかかれないから、待ってほしいそうです」
 ちょうどエレベーターを降りたところでメカニックのアンナが彼女の姿を見つけて告げる。
「そう、ありがとう。アストナージはM・Sデッキ?」
「はい。今は百式を見ています」
「じゃあ、クワトロ大尉も――いいえ、いいわ」
 アンナの先を制してレコアは礼を云った。
(メタスは後回し……まぁいいわ)
 クワトロ機が優先で、メタスの戦力は大して当てにされていないということだ。それも仕方がない、いつでも取り替えのきく戦力だ。彼女のアーガマでの立場と同じに。
 誰にも必要とされず、愛されず――そして、何の目的もなく何の変化もなく毎日が同じように過ぎて行く、戦闘で生命を落とすまで――。
(ここから飛び出して……何か違ったことが欲しいのはあたしの方だわ)
 ふと、こんな考えは不謹慎だろうかという思いがレコアの脳裏をかすめた。
 カミーユやファの動機だって褒められたものではないけれど、どうにか目的を持ち始めているようだ。それでもエマ・シーンなどには『まだ自覚が足りない』と云われそうだけれど……。同時に彼女の渾名を思い出しレコアの顔に笑みが浮かんだ。
([正義の人]とは良く言ったものね)
 [正義]とは正しい道理、正しい意義。しかしそれを貫いて行うことは思う以上に難しいというのは、子供にでもわかるのだろうか……。アーガマの中でそれが出来る人となると――もちろんレコア自身ではない。
 Ζガンダムで戦うカミーユは子供達にとっては[正義の味方]には違いないだろうけれど、気紛れな彼に八つ当たりをされたりもする。まして一番身近なお姉さんのファと喧嘩をしたり――少々頼りない。そして、[正義の味方]と[正義の人]とでは微妙にニュアンスも変わってくる。
 それでは艦長であるブライト――気骨はあるかもしれないが、子供達にとってはきっと人の良いおじさんだろう。
 ではクワトロ?……彼女は脳裏に浮かんだ姿をすぐに打ち消した。子供の感性は馬鹿にならない。たとえ恩人であろうともクワトロの本質に危険なものを感じ取らないわけがない。
 そして、エマ・シーン。いつも己が正しいと思うことを行い信じてきたという彼女の生き方は、ティターンズをあっさり見限ったことでもわかる。本当にエマこそは[正義の人]の称号に相応しい。
 レコアとしてはそこまで云い切れるエマが羨ましいような、うっとうしいような……。恋に関しても――多分ファの云うことも全てではないけれど、幾らかは当たっているだろう。プライドもあるし、年下はごめんだとエマ自身も思っていることだろう。ましてファがいる手前、積極的にどうこうなどと正しい彼女が思うわけもない。
 全てにおいて、レコアにはエマのような上等な生き方は出来ない。したくもない。
(でも――自分の人生に満足している分エマ中尉のが幸せね)
 自嘲気味にレコアは思った。そんなことを考えるのは多分、彼女自身がすべてのことに満足していないからかもしれなかった。



 M・Sデッキに降り立ったレコアはアストナージの姿を見つけて彼の方へ身体を流した。
「アストナージ、メタスには当分かかれないんじゃなかったの」
 彼女の問いにアストナージも苦笑して頭を掻いた。
「そうだったんですけどね。……カミーユが先にメタスの方をやってくれって」
「カミーユが……?」
「ええ、百式の後はΖをやる予定が、一人でやるから構わないって……意地張ってんですよ」
 何に対しての意地だかわからずにレコアはアストナージの次の云葉を待った。 「大尉も艦長もレコア少尉に労いが足りないって、ね」
 そう云って彼は片目をつぶってみせた。
「そう……カミーユが――」
 呟いたレコアの声の中に不快そうな響きが混じっている。アストナージは笑みを消して云い添える。
「お節介でしょうが……あいつなりに気を遣ってるんです、気を悪くしないで下さい」
 呑気そうに見えて、気の回るアストナージは如才なくそう取りなした。
「――アストナージも苦労人ね。気を悪くなんかしないわよ、よろしく頼むわ」
 他に云うべきこともなくて、レコアはその場を離れた。宙に漂いながらΖガンダムを眺めると、クレーンの上にカミーユの黄色の作業服姿が小さく見えた。
「変なとこで気が回るんだから、子供のくせに」
 レコアは気持ちとは裏腹な悪態を呟いた。
 少年はいつも彼女を助けてくれるのに。地球への降下の時も、ジャブローでも――そして、ジュピトリスへの潜入の時の護衛を買って出てもくれた。いつでも一番に駆けつけてくれたのは他ならぬカミーユなのだ。
 『どうして危険なことばかりするんです』
 そんな説教を生意気にも口にするようになった。
 『たまたま上手くいったからって、いつも無事に済むとは限りませんよ』
(無事になど済まなかった、いつだって……)
 レコアは内心で自重を促す少年を嘲笑した。ジャブローでの辱め。そして、彼女は会ってしまったのだ。あの男、――パプテマス・シロッコに……。
 そんな彼女の心中の変化をカミーユは察している、はっきりとはわからなくても何かに気付いている。だから、 (子供のくせに……およびじゃないのよ!)
 ますますレコアはそう思う。彼女が気付いてほしいのは、多分少年にではないのだ。金色の髪がレコアの思考をかすめ、一瞬にして消えた……。
 ぼんやり見つめている彼女に気付いたのか、カミーユが顔を上げた。思案するように首を傾げためらう気配を見せたが、彼はレコアの方にやってきた。
「おはようございます。レコア少尉」
「おはよう。……メタスを先にしてくれたんですってね。ありがとう」
 仕方なしにレコアはそう云った。心から、とはあまり云えなかったけれど。
「いえ、Ζは僕一人でも何とかなりますから」
 笑みを浮かべてカミーユはレコアの礼に答えた。それさえも癪に障る。
「それは――メカニックマンの世話になるほど壊さないっていうあなたの自信、それとも傲慢?」
「………そんな――っ」
 レコアの云葉に少年は酷く傷ついたような、頼りなげな瞳で彼女を見つめ返した。こんな様は初めてアーガマに乗ってきた時となんら変わりがない。
「冗談よ。……たまにはあたしも拗てみたくもなるの」
 そんな顔をされたら、嫌でも自分の大人げなさに気付いてしまう。これだから子供は――面倒だ。
「――レコアさん……」
 険がある、というよりむしろ何か問いたげにカミーユは彼女の名を呼んだ。
 レコアは小さく息を吐いた。それでも――物足りないと思う一方で、カミーユの気遣いがレコアにとってまったくの邪魔だというわけでもない。
「エマ中尉は――[正義の人]ですって?」
「えっ……ああ、子供達がそう言っているようですね」
 突然の話題に、カミーユはそれでも律儀に答える。
「あなたが教えたって聞いたわ」
 わざと彼女がそう云ってみせると、カミーユは苦笑混じりに呟いた。
「あれは――正しいからってすべてに共感できるわけじゃなかったから……これは僕の言い訳ですね」
 そう、多分レコアが少年をまったく無視することが出来ないと思うのは――こんな部分が彼女に似通っているせいなのだ。
「[正義]って……何かしら、――辞書に載っているような説明じゃなくて……信念のことなのか、行動なのかしら」
 少年からその答えが得られるなどとは思わないけれどレコアは訊ねた。
「わかりません。――自分のしていることが正義だとは僕には言い切れませんから」
 困ったようにカミーユは云葉を紡ぐ。
「でも――危険なところに飛び込んで行けるレコアさんの勇気は、正義じゃなくても……立派だと思います」
 少年はレコアが訊いてもいないことを云った。彼女の真意を理解してか、あるいは理解しないからか……しかし彼女が正しいとはついぞ口にしなかった。それでも生真面目な答えの中に彼女への気配りが感じられた。
 レコアの気のせいでなければカミーユはファやエマとは違った顔で自分と対峙するのではないか。知らぬ間に自分だけ――などという気分にさせられて……。

「――あたしも……エマ中尉と同じってわけね」
「…………?」
 レコアの小さな呟きを聞き咎めてカミーユが当惑の視線を投げる。
「結構あなたに振り回されてるってこと」
 レコアは苦笑してカミーユの耳許に唇を寄せた。
「カミーユ、あなたジゴロの才能があるかもしれないわよ」
 そう囁いてすぐに離れる。
「――――えっ…?」
 何を云われたのかわからないような顔をしている少年の顔は幼く見えた。
(やっぱり――)
 笑みを浮かべてその先の云葉をレコアは飲み込んで、答えに窮している彼の前を通り過ぎた。


 去って行く年上の女性の後ろ姿を呆然と見送りながらカミーユは落ち着かない気分で髪を掻き上げた。

「カミーユ遊んでんなよ」
「そんなわけないでしょ!」
 アストナージのヤジにカミーユはとっさに怒鳴り返した。名残り惜しげにレコアの後ろ姿を見送ってデッキに下りる。
「レコア少尉なんだって、話し込んでたろ」
 Ζに戻る途中でアストナージに軽く肩を掴まれる。
「なんでもありませんよ」
「なんでもないことあるか。顔赤いぞ」
 ニヤニヤしているアストナージを睨みつけてカミーユは乱暴に腕を払った。
「メタスの整備、ちゃんとやって下さいよ」
「誰に言ってんだ」
 クレーン上のカミーユに向かってアストナージが云い返すのに彼は肩をすくめた。

(ジゴロって……なんだよ――レコアさん)
 からかわれたのだ、多分。そう思う方が彼の動揺も少ないし納得もいった。それでも年頃の少年は耳朶を打ったレコアの息を思い出して赤面した。
(でも、レコアさん笑っていたな……)
 彼にはそれがいいことのように思えた。最近ピリピリしていたレコアが笑っていたのだ。その事実に彼は安堵した。
(きっと大丈夫だ)
 何が大丈夫なのか、理由もわからずに――その確信が根拠のないものであるとカミーユは気付いていなかった。



 少年をからかった(?)当のレコア・ロンドはあてもなく艦内を歩いていた。
 ファはクワトロとレコアが大人の関係だと云った。
(それはそうだろうけれど……)
 互いに踏み込まない、踏み込ませない。そんなつき合いに甘んじてきた身が、逆にそれが寂しいなどとは今更云い出せはしない。
 少年は心配に名を借りてレコアの心に踏み込んでくる、時には有難くて同時に我慢がならなくて……。もしかしたら少年は他の誰よりもレコアが欲しいものをくれようとしているのかもしれなかったが……ただ、頼るには若すぎた。
 優しい云葉や気遣い、温もりもレコアが与えて欲しいと思うのは別の――男だ。

([正義]ではなくて、[勇気]――)
 少年のもどかしげな賞賛をレコアは心の中で繰り返した。
(違う何かを見つける――飛び出す[勇気]ならいくらでもあるわね)
 たとえそれがどんなものでも、今のやり場のない日々よりずっとマシであるはずだった。
(男に人生を賭ける気などなかったけれど……いいえ、本当はいつだって賭けたいと思っていた)
 相反する想いでレコアは自問した。彼女に正義はなくともその男の[正義]をレコアのものにすればいい、きっとなってくれるはずだった。

 彼女の欲しいものはアーガマにはなかった。そして、それは宇宙の何処にもないのかもしれなかった。
 それでも求めてみたい、確かめてみなければ……全てはそれからだとレコア・ロンドは思う――。


Fin
(1994.04 脱稿分を改訂)

後書き

レコアさんは私、好き嫌いより興味深い存在なので結構書いてます(アーガマ女戦士―もしくはカミーユのお姉さん―の双璧、エマさんも多いけど、主役視点はレコアが先でした)。
何事もタイミングって大事。それを見誤ると取り返しがつかなくなる(自分の事情や都合を言い訳にして何かを失ってしまう)ことって確かにある。クワトロとのキス…映画版では【決定的に愛想をつかす】儀式(?)のようですが、TV版ではもう少しニュアンスが違うかな…。レコアを全面的に支持とかではなく、心の機微が書き甲斐があります。
カミーユはクワトロよりは気が回ってますが、(彼がいかに中性的な感覚を持っていても)やっぱり失敗…。♯40は大好きでここのカミーユとレコアのやり取り、滅茶苦茶語りたい! でもそれは最後の最後、出来るだけ作品として昇華したい(あくまで希望であり理想ですけどね ^^;)。
あと、レコアとファを絡ませるのも好き(『弱き者、汝の名は女』他…)。このファ、やっぱり「恐い」と云われたし、自分でも「女の手の内をここまで曝していいの?」(そんな大層なものではない…)と思ったりもしました。これはあくまで私基準の【したたかなファ】ということでご容赦を(企みを持った意思の強い女の子、嫌いじゃないですから♪)。
ちなみにこれの関連話には、『I need …』があったりします。

 鈴蘭