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TVシリーズでは放映している途中に、新しい曲を作るのは当たり前だと菅野さんは語る。だが放映前に殆ど出来てるにもかかわらず、新曲を作るというのは。制作上問題はないのだろうか。
「その辺はお金無いからと言う人とは殆どやってませんね。曲数は当然多くなりますけど、アルバムに全部入れる人なんていないと思いますよ。映画1本50曲とかTVシリーズなら120曲は当たり前。私そんなに作ってないですから。」
―サントラの枚数は最初から決まっているんですか?
「それも変な話、予算なんです。予算が沢山かかるサントラは、枚数を出さないと会社が潰れちゃう(笑)。だから予算をかける=枚数を出す。でも私は1枚であるべきだと思うんです。1つの作品で2枚も3枚もあったら、どれ買ったらいいか分からないですよ。それは今、私戦ってるところで、何とかお金だけもらって1枚しか出さないようにって(笑)。」
―CDのジャケットは菅野さんが全部指示してらしたんですか?
「そうです。エスカのTV版まではジャケットにいろんな事を言ってはいけないもんだと思ってたんですけど、ビバップ辺りから『描け!』って言うようになって、ガンダムの時も『こう描きなさい!』とか絵を描いてお願いするようになりました。それが人間としてイイのか悪いのかはちょっと…」
―仕事を選ぶ基準はなんですか?
「こうゆう取材でもお断りする事が多いんですけど…『好きかどうか』(笑)。それもやっぱり人ですかね。好きでその人のために何かしたいなと思ったら受けます。向いてない人と半年とか一緒に物を作ったら病気になっちゃうんですよ、つらくて。普通のOLさんから見ると随分偉そうな商売とか思われるかもしれないけど、我慢していい作品が出来るなんて、まず絶対あり得ない。だから今までやった仕事は取材も含めて、好きな人としかやってないので全部楽しかったです。アニメで私に仕事をくれる人は、儲けとか全然関係なく、面白かったり、男気を感じるとやるタイプなんです。だから売れない仕事ばっかり受けちゃう。イヤ、わざと受けてると思う(笑)。私が病気になったらその前後にイヤな仕事があったって事で(笑)。」
A N D
M O R E
多岐に渡って作曲をし続ける菅野さんだが、この先付けたい映像はあるのだろうか。
「バレエとか好きなので、グランドオペラみたいな舞台上でオペラもバレエもあるというのをやってみたいです、凄いお金かかりますけど。エンターテインメントが大好きで、ミュージカルも。おまけに動物とか出たら凄いなと(笑)」
同行したカメラマンが、菅野さんを見ていて思わず口を挟んできた。「自分が譲る所、譲らない所という勘が凄いはっきりしてる。表現する事を逃さない人ですね。写真を撮る時も、話している時も。沢山の事を伝えようとする身ぶりやパワーが凄い!」
「(笑)落ち着きないんです。今日のこの椅子(↓写真参照)ね、深くて動けないんですけど、普通の椅子だったらその辺走ってる(笑)。」
あどけない顔でケラケラと笑う菅野さん。彼女の音楽はその身から溢れ出るパワーそのものであり、だからこそ私達は彼女の造り出す世界に魅了されていく。時間はもう11時30分、我ら取材班と同時にスタジオの外に出た彼女は「おいらはタクシー!」と言うなり、来た時と同じようにパタパターっとスタジオ前の道路にかけて行き、パッとタクシーを止め、興奮の治まらない私達の前から去って行ったのだった。
追記:先日フジテレビで放映された「世にも奇妙な物語−ママ新発売」は監督:中島哲也/音楽:菅野よう子であったことは御存じだろうか?
2001年2月15日グランド・ファンク/ロドリゲスル−ムにて
インタビュア−:金野留美/カメラマン:繁延あづさ
KANNO YOKO

早稲田大学在学中、「てつ100%」のメンバーとしてデビュー。解散後、作曲、アレンジを中心に活動。CM音楽では、森永乳業・イタリアンジェラート(96年)、資生堂・パーフェクトルージュ(95年)、JR東日本(96年)等で広告音楽大競技会金賞受賞。98年サントリービタミンウォーターで三木鶏郎広告音楽賞。最近では資生堂・プラウディア、マシェリ、雪国まいたけ、北海道シチューなど。テレビ、映画、ゲーム、アニメーション等数多くの音楽を手掛け、今井美樹、小泉今日子らのCDにも参加。97年に坂本真綾のプロデュースを手掛け始める。98年「カウボーイ・ビバップ」で13回ゴールドディスク大賞、アニメーション部門受賞

【主な映画参加作品】95年「MACROSS PLUS」「MEMORIES(彼女の想いで)」97年「夏時間の大人たち」「音響生命体ノイズマン」98年「Beautiful Sunday」「ぼくは勉強が出来ない」00年「天空のエスカフローネ」01年「COWBOY BEBOP」

「映画感染vol.3〜音を捜せ!〜」菅野よう子インタビュー!

映画、CM、ゲーム、アニメーションのことはもちろん、ジャンルの違う「映像」は作曲家から見るとどのような世界なのだろうか?
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